質問

Cs-134とCs-137の光電ピーク(ROI)を定量するためのエネルギー幅設定が異なるため、測定値に大きな差異が生じています。NaI(TI)スペクトルメータを使用したCsの放射能定量分析の方法を教えてください。

回答

NaI(TI)シンチレーション型検出器により、Cs-134とCs-137が存在する試料のγ線スペクトルを測定すると、Cs-134の605keVとCs-137の662keVのγ線ピークが重なります。そのため、ピークを分離しそれぞれの放射能をもとめます。ピーク分離法としては、ガウス分布の2つのピークを仮定してそれらを重ね合わせます。仮想の重なったピークを実際のピークに合うように、仮想の2つのピークのパラメータを調整し、実際のピークを2つに分離する方法などが考案されています。

「放射線・放射能の基礎と測定の実際」(公立鉱工業試験研究機関長協議会)から許可を得て転載